【5】LIF(レーザー誘起蛍光法)とは


LIF(レーザー誘起蛍光法)とはLaser Induced Fluorescenceの略で、レーザを用いた特定分子の可視化が可能な計測手法です。
火炎、噴霧、熱流などにおける化学種の濃度、混合割合、温度計測に最適なソリューションです。
化学種に対する選択性が優れていることから、燃焼場のような異なる化学種が数多く存在する環境であっても、ターゲットとする火炎ラジカルや 化学種を、ppmオーダで検出できます。
LIF反応のない化学種の場合には、蛍光マーカを用いたトレーサLIF手法で、流れ場のスカラ計測が可能です。

特徴


●高感度で化学種に対する選択性の高い技術
●高空間分解能、高時間分解能
●LIF発光のスペクトルシフトにより、迷光やミー散乱の不要な干渉を阻止
●信号強度を利用した計測手法


計測原理


LIFは、レーザー光の吸収に続き、励起状態からの蛍光光子の放射という2つのプロセスが有ります。
吸収のためレーザー波長 λLは、LIF活性分子の許容されたエネルギー遷移と一致しなければなりません。
これらのわずかな励起分子のみ蛍光を発し、残りは蛍光せずに緩和します。
光学フィルタは、放出波長λLIFで、図の赤色にシフトした蛍光色を選択します。
放射された全てのLIF光子の割合ηのみが検出され、カメラ信号SFに変換されます。


LIFイメージングセットアップ:
レーザ光をシート状にして、火炎、噴霧、熱流などの計測断面に照射します。
シート光で励起された分子から放射された蛍光は、フィルタを取り付けたカメラにより画像化されます。
パルスレーザによるUV-LIFアプリケーションでは、通常、LIF信号はイメージインテンシファイアにより増幅されます。
また校正を行うことで、LIF画像から特定化学種の濃度または温度へ変換することが可能です.


計測事例


*3D-LIFイメージシステムで計測された、ブンゼン炎の瞬時OH濃度場ボリューム計測


 


 
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