「クリモマスターで湿度を測定するときの留意点は?」
湿度には、相対湿度と絶対湿度があります。一般に「湿度」とは、相対湿度のことをいいます。相対湿度とは、気体中の水蒸気が飽和状態(結露)にどれくらい近いかを示すもので、以下のように示します。
H=e/E×100 (%RH)
ここで
e:水蒸気圧の分圧
E:飽和蒸気圧
を示します。
これに対して絶対湿度とは、気体の単位重量あたりに含まれる水蒸気の重さを比で表したもので、kg/kgの単位で示されます。
相対湿度の測定には、様々な原理の計測器が用いられています。湿度の測定は非常に難しく、取り扱いや計測器によっては、5~10%RHの大きな誤差が生じる可能性があります。
最近よく市販されている湿度計に、抵抗式と静電容量式の原理を用いた電子式湿度計があります。当社のクリモマスター風速計は、静電容量式の湿度センサーを採用しています。よく比較対象にされる湿度計に、アスマン乾湿計があります。アスマン乾湿計は、ガーゼの巻き方、水の汚れ、応答性(温度計、ファンの能力など)によって簡単に誤差を生じてしまいますので、測定者個人の差に大きく影響を受けます。
湿度測定の留意点
湿度分布
相対湿度は、温度の影響を受けます。空気を冷やすと相対湿度は上がり、温めると下がります。暖かい空気は上がり、冷たい空気は下がるので、同じ室内でも上方と下方とでは温度差があります。相対湿度は室内の温度分布に影響されます。同じ室内でも湿度分布があり、数センチメートル離れた位置または机の上下でも大きな違いがあります。
プローブのサポートの影響
相対湿度は温度に影響されます。温度が急変する場所に持ち込んだ場合、熱容量の影響により、指示値が安定するまでに、かなりの時間を必要とします。センサー部を軽く左右に振ると、早くその雰囲気になじみますので早く安定します。センサー付近を手で握ったりすると、サポート部が暖まり熱容量の影響を受けますので、注意が必要です。
応答性
無風状態では、プローブの熱容量が影響します。風があると数十秒で90%応答しますが、無風状態では数分かかります。アスマン乾湿計では応答に約10分を必要とします。これは温度計の応答性に依存します。