ピトー管は、風の流れに対して正面と直角方向に小孔を持ち、それぞれの孔から別々に圧力を取り出す細管が内蔵されています。その圧力差(前者を全圧、後者を静圧)をマイクロマノメーターで測定することにより、風速を計測することができます。
ピトー管は通常、高速域(5 m/s以上)における風速校正用として使用されます。
動圧=全圧―静圧
全圧:風の流れに平行な成分(軸方向)、静圧:風の流れと垂直な成分
ピトー管による風速測定の原理
流体の流れの中に物体が置かれると、物体の前面で流れはせき止められ、物体の表面に流れの速度がゼロとなる点が生じます。これを『よどみ点』といいます。
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図.1 ピトー管の外観図 |
(a)点からよどみ点までの空気の流れにベルヌーイの式を適用すると、
U=√2(P
0―P)/ρ
となり、P
0、Pが測定されれば、風速が求められます。
ここで式中の記号は次の通りとなります。
U:風速値
ρ:流体の密度
P
0:よどみ点の圧力
P:(a)点の圧力
ピトー管で得られた差圧を次式に入力して、風速値を求めることができます。
U=395.673×√(△h×(1+0.00366×T)/ P)
△h:マノメーターの読み (Pa)
T:風温 (℃)
P:測定時の大気圧 (Pa)
(厳密にはマノメーターの補正・高度(標高)などの補正が必要です。)
簡単な目安としては
U=1.2773×√△h
で計算できます。
例えば、△h=1,500 (Pa)の場合 U=約49.47 (m/s)となります。
関連ページリンク
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熱式風速計の原理について([7] アネモマスター風速計の動作原理について)
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