平均風速を測定する方法として、熱式、翼車(ベーン)式、超音波式、およびピトー管式などがあります。アネモマスターは、この方式の中で熱放散の原理(熱式)を利用しています。
以下に、これら風速測定方法による風速計の特長を示します。
熱式風速計
■通電状態にあるセンサーが、風で冷却されたときに生じる電気抵抗の変化を測定することで風速を測る方式です。
■持ち運びが容易。コストパフォーマンスが高く、風速計のスタンダードとして広く採用されている。
■熱式風速計の素子には、白金線やサーミスター、半導体を用いたものがある。当社は白金線を使用している。白金線は物質的に最も安定しているため、長期安定性に優れ、温度補償の面においても優位です。
■適用範囲:0.05~50 m/s 表示分解能:0.01 m/s
翼車(ベーン)式風速計
■風車の原理を応用。翼の回転数を測定することで、風速を測定する方式です。
■気象観測用などに用いられる。
■原理が比較的簡単で、価格は安い。測定精度が低いため、微風速の測定や小刻みな風速変化の測定には不向きで熱式風速計をお勧めしています。
■普及度は低い。
■適用範囲:1~50 m/s 分解能:0.1 m/s
超音波式風速計
■超音波が一定距離を伝わるのに必要な時間を測定し、風の影響による到達時間の遅れから風速を測る方式。
■XYZ 3方向にセンサーを設置することで、風向を知ることができます。
■センサー部が他の原理に比べてやや大きいため、測定部周辺で乱流が発生して風の流れを乱す可能性があり、用途が限定されます。
■気象観測用に用いられます。
■普及度は低い。
■適用範囲:0.005~60 m/s 表示分解能:0.005 m/s
ピトー管式風速計
■ピトー管は、風の流れに対して正面と直角方向に小孔を持ち、それぞれの孔から別々に圧力を取り出す細管が内蔵されています。その圧力差(前者を全圧、後者を静圧)をマイクロマノメーターで測定することにより、風速を測定します。
■原理が比較的簡単で価格は安く、風の流れに対してピトー管を直角に設置しなければ、測定時の圧力差が大きくなります。
■風速計としてではなく、風速校正用として使用されます。
■適用範囲:5~100 m/s 分解能:0.01 m/s
関連ページリンク
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熱式風速計の原理について([7] アネモマスター風速計の動作原理について)