【9】サンプリング機器について

サンプリング
空気中の有害物質の濃度を求めるには、対象とする環境中の空気のサンプリングと分析を行い、サンプリングした空気量と分析で得られた有害物質の質量から、空気中の有害物質の濃度を算出します。
サンプリングとは、空気中の有害物質を以下に示す方法(液体捕集方法、固体捕集方法、直接捕集方法、ろ過捕集方法等)により採取することをいいます。
 
①液体捕集方法
環境中の空気を液体に通し、または液体の表面と接触させることにより、溶解・反応等をさせて測定対象物を捕集する方法。
図.1

②固体捕集方法
環境中の空気を、固体の粒子の層を通して吸引すること等により吸着させて、当該固体の粒子に測定対象物を捕集する方法。
図.2

③直接捕集方法
環境中の空気を、溶解・反応・吸着等をさせないで、捕集袋や捕集びん等に直接捕集する方法。
図.3

④ろ過捕集方法
環境中の空気を、ろ過材(フィルター)を通して吸引することにより、当該ろ過材に測定しようとする物を捕集する方法。
図.4

サンプリングポンプ
サンプリングを行うために、空気を吸引する装置をサンプリングポンプといいます。
環境中の有害物質の測定で分析操作を行う場合、サンプリングポンプを使用して試料空気を吸引する方法が多く用いられています。サンプリング流量は、測定対象物質の濃度・物性・状態等により異なり、ポンプは、吸引できる流量によって低流量ポンプ、中流量ポンプ、高流量ポンプに分けられます。
 
サンプリングポンプに用いられる用語
サンプリングポンプの用語を当社取扱製品のサンプリングポンプを例として説明いたします。
流量範囲  -  ポンプによって吸引できる、または調整可能な流量範囲。
流量は通常、ポテンションメーター、ダイヤル、キーパッドによるデジタルで調整する。
コンスタントフロー機能 図5 設定流量に対して、±5%以内で流量を制御し維持する機能。
フォルト機能   図6 設定流量から±5%を外れた状態(流量を維持できない状態)が30秒以上続くと、自動的にポンプが停止する機能。停止したときまでの稼働時間は表示されるので、トータルの吸引空気量も表示される。
ポンプの流量を維持するだけの電池残量がなくなった場合、フォルトランプが点灯し停止する。
最大圧力損失 図7 ポンプが流量を維持できる最大負荷圧。
コンスタントフロー
モジュール
図8
図9
低流量域での脈動を抑え、安定したサンプリングを可能にする。サンプリングチューブ1本用。 
マルチフローモジュール 
図8
図9
低流量域での脈動を抑え、安定したサンプリングを可能にする。2~4本の、複数のサンプリングチューブを使用できる。
連続動作時間 フル充電のバッテリーを使用したときの、ポンプの稼働時間。

図.5 コンスタントフロー機能
図.6 フォルト機能
図.7 圧力特性 最大圧力損失
図.8 コンスタントフローモジュール、マルチフローモジュール
図.9 低流量域での脈動とモジュール装着による流量の安定性

関連ページリンク
粉じん計・サンプリングポンプ
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