光散乱式粉じん計は、粒子の大きさや形状および色などが同一の場合、吸引した粉じんによって生ずる散乱光量(強弱)が質量濃度に比例して変化する原理を利用して、散乱光量を電気信号に変換し、粉じん質量濃度を測定します。フィルター秤量法による直接重量測定法に対し、相対濃度測定法とよばれる手法で、直接重量法による標準測定法との比較試験(校正)が必要となります。同一粒子径では、抜群の再現性と安定性を持ちます。また、ごく少量のサンプリングで測定出来るので、1分間という短い測定時間で環境濃度が求められ、ビル管理等の作業環境で要求される粉じん濃度の時間的変化や空間的変化の測定に、きわめて有効です。
しかし、この方式の測定器の与える相対濃度は、粉じんの光学的性質、形態等の諸特性、測定器の感度および精度により異なります。例えば、デジタル粉じん計の場合には、cpmという相対濃度が、ー定の質量濃度変換係数(例えば0.01 mg/m
3/cpm)を与えるわけではなく、粉じんの特性が類似している室内の浮遊粉じんにおいても、質量濃度との間の質量濃度変換係数は必ずしもー定でありません。一般に作業環境中における粉じんの質量濃度変換係数は、もっと大きなものです。
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図.1 光散乱式粉じん計の計測ブロック図 |