CEマーキングとは、ヨーロッパ連合(EU)地域で販売される指定製品に、貼付を義務づけられている安全マークのことです。
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CEマーク |
EU地域では、それぞれの国ごとに安全規制の範囲やレベルが異なったため、メーカーは輸出先の国ごとに、いちいち製品仕様を修正する必要がありました。国ごとの規格を廃止して共通な規格を作り、EU地域内の自由な流通を保証して巨大経済圏を目指すという目的で、CEマーキングはスタートしました。
このCEマークは、欧州共同体閣僚理事会から指令(EC指令)が出され、その指令が示す安全規制に適合した製品だけが貼付できます。指令は製品の分野別に複数存在し、しかも未完成であるため、これからも新しい指令が発令されることが予想されます。また、一度発令された指令に関しても、後から内容が追加・変更されたりする可能性があるので、常に新しい情報に注意する必要があります。指令有効日以降、指令に適合していない製品の販売が、EU地域では禁止となります。
1996年1月1日より、EU連合(17カ国)によるEMC(Electromagnetic Compatibility Directive)指令および低電圧指令、機械指令が全面強制となり、当該する製品についてはCEマーキングがないとEU域内に輸出できなくなりました。
この3つの指令は、特に多くの日本メーカーを巻き込んでいるといわれています。ブルドーザーなど産業機械は機械指令が、また、パソコンやプリンタなどはEMC指令・低電圧指令が適用されます。当社が販売する風速計や粉じん計、パーティクルカウンターも例外ではなく、もしEU地域に輸出をする場合、このEMC指令・低電圧指令が適用されるので、CEマーキングの取得が必要となります。
EMC指令
電磁波を発するか、あるいは外部の電磁波によって、機能に影響を受ける恐れのある製品に関する指令。
外部に強い電磁波を出さない、外部からの電磁波によって影響を受けない設計が要求されている。
低電圧指令
AC50~1,000V、DC75~1,500Vの電源で駆動する電機製品に対する技術な事項が要求されている。
機械指令
工作機械、ロボット、建設機械などの産業機械を中心に、洗濯機など一般製品でも可動部に危険性が認められるものも対象となる。安全に関して機械製品が備えていなければならない基本的事項が要求されている。
CEマーキングはヨーロッパに端を発していますが、最終的には製造物責任(PL)問題として、国内外を問わず、販売する商品全般に要求される問題と判断して対処することが必要です。CEマーキングの取得が、ヨーロッパ市場において、他社に比べて有利に働くということはありません。当然に誰もがもっているべき入場券のようなものだからです。そこから先は、各メーカーが自身の企業努力によって製品の安全性を向上させて、顧客の評価を高めて行くことが期待されています。
参考文献:
[1]「営業マンの基礎知識」(社)日本電気計測器工業会 電気測定器業務委員会テキスト分科会
[2]「CEマーキング入門」 日本規格協会編