熱式風速計では、熱放散量を測定するため、素子は常温(環境温度)+40~60℃になるように加熱されています。そのため、風速ゼロ付近では熱の対流が起こり、いわゆるスプーン現象(下図、ご参照)が起こります。この現象は、精度の高い風速計で0.05 m/s以下と測定される領域に現れます。風速計の指示値が0.03 m/sと表示されている場合でも、実際の風速値はゼロかもしれません。
デジタルタイプの風速計ならばゼロまで表示させることができますが、アナログタイプの風速計は原理上、ゼロを表示することができず、若干の風速値を示します。(この領域をゼロゾーンと呼びます)。そのため、アナログタイプの風速計では、厳密なゼロを読み取ることができません。
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熱式風速計の原理について([7] アネモマスター風速計の動作原理について)