【17】空調・換気設備の風量測定について

管内を流れる空気の風量は、管の断面積と、流れる空気の風速で求めることができます。しかし、実際は、管内を流れる空気の風速は場所により異なります。この風速を全て正確に計測することは現実的ではありません。実際には、ある単位となる面積に管断面を分割し、その単位面積当たりから得た風速値を平均した値を管内の流れる空気の代表値として、次の計算式で風量を求めることができます。
風量(Q)=平均風速(U)× 断面積(A)×単位時間(t)
風量(Q):単位時間(t)あたりに管内を移動する空気体積
平均風速(U)の単位はm/sec、断面積(A)の単位はm2です。
 
t=60secとすると風量の単位はm3/minとなります。
t=3,600secとすると風量の単位はm3/hとなります。
 
JIS規格の「空気調和・換気設備の風量測定方法(A1431-1994)」、「送風機の試験および検査方法(B8330-1992確認)」に風量測定に関する記載があります。これを参考にご説明します。詳細はJIS規格A1431、B8330をご参照ください。
 
空気調和・換気設備の風量測定方法(JIS規格A1431)
測定するときは、なるべく運転時の状態を再現して行います。
 
吹き出し口での測定方法
フード内の静圧が室内の静圧と等しくなるよう、送風機を調整します。
ダクトの直管部分にて風速を測定します。測定点については、送風機の試験および検査方法「測定点」を参照してください。測定した風速から風量を算出します。
風量=測定風速×直管ダクトの断面積
 
吸い込み口での測定方法
吸い込み口の内寸法と同じ断面のダクト(長さはダクトの直径または長辺の2倍)とを接続します。
ダクト入口の中央の1点で風速を測定し、風量を計算します。
風量=測定風速×ダクトの断面積
 
図.1 フードを用いた測定方法

 
送風機の試験および検査方法(JIS規格B8330)
●測定点
①長方形管路(矩形ダクト)の場合
Q=60×(U1×A1+U2×A2+・・・・+Un×An)・・・・・・・(a)
Q:風量[m3/min]
Ai:分割された断面積[m2]
Ui:Ai部を代表すると見なされる測定点での風速(m/s)
N:測定点数(16~64)
60:秒[s]から分[min]への換算定数
 
断面積が等しく分割されている場合は
Q=60×A×(U1+U2+・・・・+Un )/n ・・・・・・・(b) 
ここでA=A1+ A2・・・+ Anとなります。
 
長方形管路(矩形ダクト)の測定点は、図.2に示すように長方形を16以上の等面積に分け、その各々の中心点とします。測定点の点数は、等分した長方形の辺の長さが150 mm以下になるように決めます。ただし、64以上に区分する必要はありません。
図.2 矩形ダクトの分割概要図


②円形ダクトの場合
円管の場合は、測定管路断面における互いに直角な直径上で、図2に示す各10点、合計20点を測定点とします。風量Qは(b)式で、A=円の断面積として計算できます。
r1=0.316R
r2=0.548R
r3=0.707R
r4=0.837R
r5=0.949R
図.3 円形ダクトの分割概要図


測定管路の内径が400 mm以下の場合は、なるべくオリフィス板、または吸入ノズルを用いてください。プローブが管路を塞ぎ、風速が速くなります。通常、プローブの占める断面積の割合が1%以下であれば無視できます。3%程度であれば、プローブの占める断面積の割合に比例して風速が速くなりますが、次式によって補正できます。
 
V=U/(1+a/A)  ……(c)  
U:実測値(m/s)
V:補正値(m/s)
a:プローブ断面積(m2
A:ダクトの断面積(m2
 
風速測定位置
図.4使用状態で、吹き出し管だけを持っている送風機の場合
図.5使用状態で吹き込み管だけをもっている送風機の場合
 
測定の注意
・送風機の吸い込み口は、壁(床)から管の1D以上離します。
・吸い込みでも吹き出しでも、空気量が少ない送風機を測定する場合は、旋回流が生じて正確な測定ができないことがあるので、測定位置より1D以上風上に整流格子を設けます。ただし、整流格子を設けても極端に空気量が少ない場合は、正確な測定はできません。
・測定管路は内面が滑らかで、その断面積が送風機の吸い込み口または吐き出し口の断面積に等しい、円形断面のまっすぐな管を用います。やむを得ず形状または断面積が異なる場合は、送風機と測定管路との間に接続管を用います。測定管路の断面積は、送風機の吸い込み口断面積または吹き出し口断面積の0.7未満(または1.3以上)にならないようにします。
 
参考文献 JIS規格: B8330 送風機の試験および検査方法、A1431 空気調和・換気設備の風量測定法